渚にて

旅行、音楽、読書、日常の雑記をつれづれに。

MUSIC

僕はそっと歩き出して

Mステに初めてフジファブリックが出たようで、後から動画を見た。 バンドのVo.だった志村正彦は10年前に29歳で亡くなり、彼自身がMステに出られることはなかった。Mステでは当時の彼の映像を使い、今のバンドがステージに上がる形で、いつの間にか夏…

Heaven is A Place on Earth/影の中にいた光

NetflixのSci-fiサスペンスドラマ、Stranger Thingsのヒットでも証明された海外映画・ドラマ界での80年代ブームはまだまだ続きそうな勢いだ。 遙か昔ではないが回顧できるほどには過去の話で、全く80年代を知らない世代にとっては、どこかで聞き覚えのあ…

ピッチ・パーフェクト/ガールズは諦めない

どん底のアカペラガールズグループがトップを目指す話、と聞いたら誰もがなんとなく「それ知ってる」と言うだろうし、きっとオチも想像がついてしまうことだろう。それでも私は映画『ピッチ・パーフェクト』を愛してやまない。『ピッチ・パーフェクト1』(…

Once Around the Block/この温かくてへんな生き物は

気持ちよく裏切られるというのはこういうことだろう。中古でBadly Drawn Boyのデビュー作、The Hour of Bewilderbeastを買って、いつだったか忘れたころにプレイヤーに掛けたことがあった。放置していたくせに、まるで昔からよく聞いていたアルバムのようだ…

I Ain't Movin'/すきなものは

何も書けなかった。書くと辛いことを思い出すからだ。もうちょっと前に、私はたぶんこれが最後だろうと思った。この人の話を聞いたら、これが最後。これ以上は乾く。皆器用だな、どうやって毎日何とかやってるのだろう。私は誰かの言うことだけを聞いて今ま…

Daughter/孤独という音楽

確か数年前の初夏、イングランドのライに行った時だった。雑貨店に入ってギフトカードを冷やかしていた時に、そのBGMが突然耳に飛び込んできた。何となく気になって、鼻のあたりにピアスのあった店員の女の子に「これは何ていう曲?」と尋ねた。「Youth」…

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール/彼らの行方不明の神様

■ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール(英・2014)スコットランド・グラスゴーのとある街はずれの病院。心を病んで個室に入院していた少女イヴは、退屈を紛らわすためにラジオを聴き、ひとり音楽を作って心を慰めていた。ある日病院を飛び出して出かけたライブハウス…

10月はたそがれの国/The Velvet Teen来日します

あっという間に今年も秋まっさかり。連休には田舎の田んぼの稲も刈り取られ、新米の季節になってまいりました。今月はついにThe Velvet Teenが来日します!!去年のTwitter復活から今か今かと待ちかまえていたけど、やっとだよ~!嬉しい!!彼らの詳しいこ…

ぼうけんのしょをひらきますか?/2015上半期の私(ライブ、演劇etc)

最近は仕事で疲れすぎて、こんなまとめ日記を書くのですら一週間がかりなのですが、それでも書き残したいことは山のようにあるのです。あっという間に上半期が過ぎて行って色々と忘れそうになるので、思い出しておきたいこと。1月:Asgeir@恵比寿リキッドル…

正統を撃ち抜く / UNISON SQUARE GARDEN

暑い、暑くて毎日エアコンをつけて寝ていたが、昨日は夜が少し涼しかったこともあり、この前先輩に「首筋に保冷剤を当てたら効くよ」と言われたのを実践したら初めて窓を開けたまま寝られた。朝一番の日差しとともにまたエアコンをつける羽目になったけれど…

夏の扉の隙間から/フジロック2014の思い出

あっという間に梅雨が明けて、小学生はもう夏休みが始まって、蝉はじわじわと鳴いている。ことしももう半年が過ぎた。金曜から苗場でフジロックが始まっているけれど、去年念願のAsgeirを見られてずいぶんすっきりしたのか、すっかり忘れていた。去年のフジ…

Fast Car/息もできない

お久しぶりです。この年になってふと、昔PVを見たTracy ChapmanのFast Carの歌詞を改めて見直してみたら…つらい!!あんなにも耳通りのいい心地いいメロディが、実は田舎のどん詰まりの若者を歌ったものだったなんて気付きもしなかった。Tracy Chapmanはア…

2014年 今年会えてよかったなの音楽

酔っぱらいからの今年の振り返りです。相変わらずそこまで音楽は聴いていないし、大体日記で取り上げたものが中心ですが、今年よく聴いた音楽をリストアップしてみます。Taylor Swift/Mine今年発売された新作『1989』のシングルカットが何となくTaylorら…

居酒屋で晩飯を食べます

馴染みの居酒屋ができてしまった。居酒屋、というより一品料理の店だけど、店構えはまごうことなき居酒屋だ。暖簾をくぐって戸をからりと開け、店主のおっちゃんと奥さんがいるのを確かめて「空いてます?」と尋ねる。街場ではなく地元の店だから、たとえ終…

The Velvet Teen/一瞬の引力

風邪を引いて三週間近く経つ。一旦持ち直してからまた同じ症状に陥って、しばらく休んでいた。久々の連休なのにろくに遊べないので退屈だ。部屋の掃除もしたし、映画も見たし、時々空気も入れ替えたけれど、咳が酷くて人としゃべれないし、なんにももうやる…

Sin Fang/Flowers、アーナルデュル・インドリダソン『湿地』

だんだんとRhyeの音が似合う季節になってきた。イチョウの葉がだんだんと黄色くなって、雨で道に落ちているのを見ると、もう厚着をしてもおかしくないかな、と少し安心する。寒がりの私は外に出る前に不安すぎて、思わず重ね着をしすぎてしまい、途中でへば…

GIRLSと口笛吹く乙女

STARチャンネルでドラマ『GIRLS』が始まった。NYが舞台で女の子4人組の連続ドラマと来たら、誰もが「ああ可愛い、可愛いやつね!」と言いそうなものだけど、リアルすぎる彼女たちの会話にいきなり往復ビンタを食らった気分に。気が付くと胸を押さえて「い…

いまを生きる/Dead Poets Society

■いまを生きる(米・1989) 1959年、新学期を迎えたばかりのアメリカ・バーモントの全寮制名門校ウェルトン・アカデミーに、イギリスから新任の英語教師キーティングがやってくる。 いきなり型破りな授業を始める彼に、規則でがんじがらめにされた生徒たち…

氷島的音楽 vol.2/Icelandic music in this Summer(memory)

大分間隔が空きましたが皆さまいかがお過ごしでしょうか。残暑と言うよりすっかり秋の刺すような日差しにやられつつ、今日もなんとか生きています。前回紹介したアイスランドで買ってきた音源の続きをぼちぼちやっていきます。・Ylja/Ylja「アイスランド人は…

氷島的音楽 vol.1 /Icelandic music in this Summer

6月のアイスランド旅行からしばらく経ったので、今回買ってきたCDを紹介しようと思います。基本的にアイスランド語の音楽で、各種SNSで紹介したものと同じですが、少し加筆。アイスランドと言うと、BjorkやSigur Rosといったアーティストが世界的によ…

雑踏のなかの音楽:蓮沼執太フィル

この1年くらい、環境が変わり過ぎたのもあって音楽にはちっとも手を出さなかったんだが、先月アルバム『時が奏でる』を発売した蓮沼執太フィルが気になっている。蓮沼執太/Hello Everything蓮沼執太フィル/Earphone&Headphone in my head蓮沼執太は電子音楽…

生きて、切り刻まれても:memories of Richey Edwards

90年代初期のイギリスのロックバンド、Manic Street Preachersのギタリストだったリッチー・エドワーズの失踪から今日で19年だという。過去に何度となく触れているが、私はリッチーが好きだった。物ごころついてアルバムを買ったころには、すでに彼は姿…

new yearからのすこし/Ásgeir

新年が明けていました。気まぐれな日記ですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。あまり人には伝えてなかったのだけど実は今年は喪中で、こちらから年賀を出せずにいる方々には申し訳ありませんでした。遅れてはいるものの、寒中見舞いで何とかお返事…

春、バーニーと一緒に

いたいけだった(と思われる)高校生くらいのころ、私にもう少し根性と度胸があったならギターを始めていたはずだ。その頃出会ったのがバーニーのギターだったから。思い出を話すのは得意だけどあんまり好きじゃない。過去のことは結局今取り戻せないものだ…

極北からLAへ:RHYE/Woman

Twitterでちまちまと情報が流れてきていたLA拠点のソウルユニットRHYE、どうやら先月あたりにデビューアルバムWomanが出ていたみたい。RHYE/Open一聴して思うのは「これがLAのユニット?」ということ。セクシーだけどどこか寂しげで静かな印象が漂う曲群…

たそかれの国:My Head is an Animal

今ずっと車のBGMにしているのは、Of Monsters and MenのMy Head is an Animal。2010年結成のアイスランドの6人組バンドで、フォーク、ロック、ポップの間を自在に行き来する音です。ボーカルは男女二人で、昨年出したこのデビューアルバムMy Head is…

2012年会えてよかったなの歌たち+α

もう今年が始まってしばらく経つので今さらだが、久しぶりに音楽を振り返るということをしてみたくなった。何年か前まではよくやっていたけど、CD屋さんがなくなって、ネットか何かで情報を入手するようになったら、逆に音楽へ手が届きにくくなった。何だ…

Once ダブリンの街角で/Falling Slowly

懐かしいタイトルを目にした。『Onceダブリンの街角で』(2007)は、数年前に前のブログでも感想を書いた作品だ。何という話でもないし、淡々とした作りに途中で眠くなったことも否めない。だが、ちらりと輝く瞬間がこの映画の中にはある。 タイトルどおり、ア…

THE FRAGILE

Doctor Whoのクリスマススペシャルが無事に見られたのでその感想を書きたいのですが、まだ見ていない人もいるだろうしもう一回見ておきたいので、ちょっと置いておこう。Twitterで流れてきたNINの1999年の作品『The Fragile』のリマスターとリミックスが…

かろやかな風も、湿っぽい風も

David Meadの音楽はそういう音楽だ。風景とともにあり、人とともにある。彼の言葉はそういうことを歌っていて、決してとどめることのできない時間や誰かとの温かなひと時を一心不乱に見つめている。私にとっては彼の歌はそういう歌だ。そんな彼が生まれた場…