渚にて

旅行、音楽、読書、日常の雑記をつれづれに。

日々のつれづれ

僕はそっと歩き出して

Mステに初めてフジファブリックが出たようで、後から動画を見た。 バンドのVo.だった志村正彦は10年前に29歳で亡くなり、彼自身がMステに出られることはなかった。Mステでは当時の彼の映像を使い、今のバンドがステージに上がる形で、いつの間にか夏…

初めて行った喫茶店の話

ある時とても辛いことがあって、まだ真っ昼間に歓楽街近くの喫茶店に入ってコーヒーを頼み、ひたすら泣いていた。 その喫茶店に入るのは初めてだったが、育てている植木鉢に覆われた外観よりも、中は思ったより広く、店内のあちこちに民芸めいた古道具が絶妙…

季節について

近所にある、個人のデザインだか設計だかの事務所は通りに面して大きくガラス窓を取っていて、部屋の中が丸見えだ。あまりに堂々と見えてしまうと、かえって中を見る気は起こらないもので(中にいる人と目が合うのも気まずかろう)、これまで見て見ぬふりを…

本から生まれるユートピア

この前、高校時代の図書室の司書さんに久しぶりに会った。私の大学入試後にご飯をおごってもらって以来だったので、彼女に気づいた時に私のことを覚えているだろうかとちょっと心配だったけれど、顔を見るなりがっしりとハグされた。高校入学後に初めて図書…

好きなものを好きということ

少し前に、文筆家の甲斐みのりさんのお話を聞く機会があった。前から趣味へのこだわりになんとなく親しさを感じていたので、「近くに来る機会があるなら」と軽い気持ちで出かけていったが、彼女の話は私が忘れかけていた大事なものを思い出させてくれた。そ…

I Ain't Movin'/すきなものは

何も書けなかった。書くと辛いことを思い出すからだ。もうちょっと前に、私はたぶんこれが最後だろうと思った。この人の話を聞いたら、これが最後。これ以上は乾く。皆器用だな、どうやって毎日何とかやってるのだろう。私は誰かの言うことだけを聞いて今ま…

流れる水は凍らない

今日カーラジオを聞いていたら、誰の言葉だったかは忘れたけれどいいな、と思った一節があった。流れる水のように生きるというものだった気がする。流れる水は凍らないし、腐らない。私の好きな言葉も行雲流水だ。字も好きだが、言葉を発した時の響きまでま…

居酒屋で晩飯を食べます

馴染みの居酒屋ができてしまった。居酒屋、というより一品料理の店だけど、店構えはまごうことなき居酒屋だ。暖簾をくぐって戸をからりと開け、店主のおっちゃんと奥さんがいるのを確かめて「空いてます?」と尋ねる。街場ではなく地元の店だから、たとえ終…

Sin Fang/Flowers、アーナルデュル・インドリダソン『湿地』

だんだんとRhyeの音が似合う季節になってきた。イチョウの葉がだんだんと黄色くなって、雨で道に落ちているのを見ると、もう厚着をしてもおかしくないかな、と少し安心する。寒がりの私は外に出る前に不安すぎて、思わず重ね着をしすぎてしまい、途中でへば…

new yearからのすこし/Ásgeir

新年が明けていました。気まぐれな日記ですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。あまり人には伝えてなかったのだけど実は今年は喪中で、こちらから年賀を出せずにいる方々には申し訳ありませんでした。遅れてはいるものの、寒中見舞いで何とかお返事…

ブラッドベリ『霧笛』舞台を見る

先日の夜、海の家で行われたブラッドベリ原作『霧笛』の舞台を見てきた。役者二人だけの芝居に生の音楽がつくという仕掛けで、夏が終わって普段は閉鎖されている海の家の二階がステージとして使われていた。知人と一緒に階段を上がると二階の真ん中に出た。…

本をよむなら今だ

本をよむなら今だ。新しい頁をきりはなつとき 紙の花粉は匂い立つ。外の賑やかな新緑まで ペエジに閉じ込められてゐるやうだ。本は美しい親愛をもって私を囲んでいる。室生犀星『本』ジーヴスの漫画も描いている勝田文さんの、昭和日本に舞台を移した『あし…

連休に東の都/『ソフィ カル 最後のとき/最初のとき』展

ソフィ カルの名を最初に知ったのは、アメリカの現代小説家ポール・オースターからだった。高校生くらいの頃、新聞の書評を見て、ふと手にした本『リヴァイアサン』。今はもうあまり読まなくなってしまったけれど、その中に彼女をモデルにした女性が登場する…

春、バーニーと一緒に

いたいけだった(と思われる)高校生くらいのころ、私にもう少し根性と度胸があったならギターを始めていたはずだ。その頃出会ったのがバーニーのギターだったから。思い出を話すのは得意だけどあんまり好きじゃない。過去のことは結局今取り戻せないものだ…

漂泊と彷徨の果て/思い出しメモ

あれこれあって、毎日があっという間に過ぎて行って、忙しくなる前に思い出しておこう。私の気になるもの。“I haven't got any special religion this morning. My God is the God of Walkers. If you walk hard enough, you probably don't need any other …

何も考えず、ただことばを

脇にリンクを貼ってある通り、こっそりTumblrをやっているのだが、時々流れて来る言葉をどこかに書き留めておきたいなと思って、今日は家用の日記を買った。ムーミンの、毎月のカレンダーの下に名言集が書いてあるやつ。ムーミンパパの言葉「自然に帰れ!人…

Happy new year! 2013/DW:Matt Smith Interviewあれこれ

明けましておめでとうございます。気が付いたら年を越えていた、という感じです。年末年始は実家でだらだらと過ごしていました。初詣もまだ行ってない…厄年近いから今度行かなきゃ。毎年毎年大体同じことで悩んで泣いてぐだぐだして、他人様に迷惑をかけては…

THE FRAGILE

Doctor Whoのクリスマススペシャルが無事に見られたのでその感想を書きたいのですが、まだ見ていない人もいるだろうしもう一回見ておきたいので、ちょっと置いておこう。Twitterで流れてきたNINの1999年の作品『The Fragile』のリマスターとリミックスが…

north side

なぜこんなに北に惹かれるんだろう?寒いのほんっとうに嫌いなのに!前にも呟いたけど、去年のアイスランド以来、北への憧れが増すばかりだ。「これは私が旅行者で、通りすがりだから楽しいんだ」と旅で何度となく思ったことだけど、それでも北の風景は愛お…

秋の服を買う/はなればなれに

夏の日差しとは明らかに違う、つめたい空気の中を通ってまっすぐに肌を突き刺してくる。そんな太陽を浴びながら、洗濯物を干した。今日は久しぶりの買い物。夏の間は暑すぎて出る気にもならなかったし、「もう半袖なら去年のでいいや…」と購買意欲も落ちてし…

バッカス、ようこそ

歓送迎会やその他飲み会シーズンですね。休みの日も家で引きこもり生活を送っていたので、あまり縁はなかったのですが、もうちょっと飲みたかったなあ(外は暑すぎて…!)。さげ、そんな酒の神をたたえる歌をどうぞ。オルフ/『カルミナ・ブラーナ』より『バ…

夏の曲集

きょう、NHKの番組で使われていたアコーディオンのBGM曲が、以前聞いたことがあるとても好きなもので、それなのにアーティストもタイトルも思い出せなくてうあー!!!と悶えてしまいました。この季節によく似合う曲。旅先の空みたいな。誰か教えてくれない…

なつい、なつい

自宅の冷房がしっかり掃除してないせいか、ちゃんと効く日と生ぬるい日とがあって、後者が今まさに私の置かれている今の状況で大変嘆かわしい。というか死にそうだ。部屋に置いてあった温度計をキッチンに持って行ったら33度を記録したし、これは食材も危…

ことしの夏はいかがお過ごしですか?

ことしの夏フェスは90年代~00年代フォロワーにとっての当たり年なのですが、行けない身の私は空想のなかでフェスに思いをたぎらせています。大体の大枠を説明してみると、・フジロックの場合(ブリットポップ再来系)1、2日目に別れたオアシスのギャ…

世界が庭であるならば

果ての果てへのあこがれは、引き戻される引力と分かちがたい。それなのになぜだろう。先日、本屋でブルース・チャトウィンという作家の本を見かけたせいでまた旅へのあこがれが募る。イギリスの作家で、サザビーズや記者を経験したのちに彼は旅に出る。代表…

東京報告

5月に行った鎌倉攻め(旅)も死にそうな強行軍でしたが、今回もこそっと上京してきました。目的は坂本美雨ちゃんが出るイベント「うつくしきひかりと雨」。夏は休みがもう取れなさそうだったので、思い切ってえいやっと列車に乗り込み二泊三日の日程で向か…

心機一転

さて長らくのお暇を頂きまして、お久しぶりの方も初めましての方もごきげんよう。以前使っていたブログがサーバーごと消滅したうえ、ブログからもしばらく遠ざかっていたためなかなか再開できずにいたのですが、少しは書いてみようかなとまた思いたちました…