渚にて

旅行、音楽、読書、日常の雑記をつれづれに。

漂泊と彷徨の果て/思い出しメモ

あれこれあって、毎日があっという間に過ぎて行って、忙しくなる前に思い出しておこう。
私の気になるもの。

“I haven't got any special religion this morning. My God is the God of Walkers. If you walk hard enough, you probably don't need any other god.”
― Bruce Chatwin
「私の神は歩くひとの神様です。もしあなたがもう十分歩いたなら、きっとほかのどんな神様も必要ないでしょう」



・漂泊と彷徨
ブルース・チャトウィン『どうして僕はこんなところに』

関連リンク:本の話WEB 本のなかの旅

ここの一節だけ取り上げると、ふと須賀敦子『ユルスナールの靴』で、 
「きっちり足にあった靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ。そう心のどこかで思いつづけ、完璧な靴に出会わなかった不幸をかこちながら、私はこれまで、生きてきたような気がする。」
と綴った冒頭を思い出す。
私はまだチャトウィンをちゃんと読んでいないのだが、彼らはどちらも漂泊のひとの匂いがする。
行き先を自ら決めている靴(それは常に道程でもある)と、まだ足元すら定まらない流木。その行動よりもむしろ、精神の彷徨。
私は『ユルスナールの靴』の、過去にかなえられなかった人生への罪悪感にシンパシーを覚えるが、チャトウィンのただひたすらに道の先へ先へと歩いて行く眼差しにも興味が惹かれるところがある。
ところで、須賀敦子が惹かれたユルスナールもまた、旅そのものが生活となっていた人物だった。



Under the Sun(ブルース・チャトウィン書簡集)

関連リンク
松岡正剛の千夜千冊:チャトウィン『ウッツ男爵』

彼を検索すると候補にもれなくモレスキンが上がってきて「何だろう?」と思っていたのだが、どうも旅に持ち歩いていたノートは常にモレスキンだったよう。こんなのもあるよ。

ムーミンの作者もうひとつの顔
トーベ・ヤンソン『誠実な詐欺師』


・脚本の妙
スパニッシュ・プリズナー

・コンサートに昔行き逃した
フローデ・ハルトリ Frode Haltli ノルウェーアコーディオン奏者

・作家が薦めてた
ピーター・キャメロン『最終目的地』





とりあえずこんなところで。
私が私として生きて行けますように。