渚にて

旅行、音楽、読書、日常の雑記をつれづれに。

(500)日のサマー/ゾンビランドとトゥインキー

注*mixiに上げた映画メモに追記して再掲載したものです。ほぼ新しく書きなおしてしまった。

■(500)日のサマー (米・2009) 
グリーティングカード会社のライターとして働くトムは、運命の相手を夢見る絵に描いたような草食系男子。偶然にも同じ会社のスタッフとして入ってきたサマーとザ・スミスの話題で盛り上がり、「彼女こそその人だ!」と電撃的に感じてしまうが、当のサマーは「友達でいましょう」とつれない返事を返す。もちろんトムが諦めきれるはずもなく…



ネタバレ要約:500日間付き合った彼女・サマー。

ミュージックビデオを手掛けてきたマーク・ウェブ長編デビュー作。その筋のサブカル人間にはたまらない映画と思われるが、恐ろしく見る人を選ぶ。
まず最初のきっかけがザ・スミスだよ、スミスだよ(二度言った)!もはやここで草食系かナードかの踏み絵を差し出されているとしか思えない。スミスは好きだけど。さらに運命の恋を信じる男子がついに主人公になってしまったことに私は驚愕を覚えた。時代はここまで来たのか。しかもそんな主人公トムを演じるのがあのジョイ・ディヴィジョンTシャツを着た眉下がりジョゼフ・ゴードン・レヴィットという完璧さ…恐ろしい。恐ろしすぎる。しかもナレーション曰く「これは恋物語ではない」と前置きをしてから物語が始まるのだ。卑怯だ!

そんな彼のミューズになるのが、ズーイー・デシャネル(She&Him)というこれまた完璧さ。あのつかみどころのないコケティッシュさかつワンアンドオンリーなファッションスタイル(下手に一般人が真似できない国士無双スタイルともいう)で近づく草食系男子を粉砕する。
それにしてもこんな夢のような女の子に恋をしてしまったトムの哀れさったらないわ…途中あまりに監督の「これはお気軽なただのラブストーリーじゃないんだ!どうだお前らが見たかったのはこんな映画だろ!!」ぶりにはまるのが業腹で、見るのを投げだしそうになったがやっぱり一応最後まで見た。
時間を逆戻ししつつ現在も見せて行くという手法、いかにもPV出身監督らしい作りではあった。スパイク・ジョーンズ影響下にはありそう。

嫌いなわけじゃない。だがどうにも話の作りが卑怯であり、配役があざとい。こういう話にこのキャストを当てはめれば、必ずツボにはまる部分があるのを監督が明らかに心得ている。いわば最初からだしが入っている味噌みたいなもので、意外な感動というものはない。が、スチールフォトは可愛らしいので額に入れて飾りたくなる。そんな映画である。
そう、…悔しいことに可愛いんだよ皆!!!ビジュアルは好きなのにな。何だろうこの二律背反。
隠れひきこもりたちの心をくすぐったのか、この映画は想像した以上にオタクに人気な気がする。
ここまで言っておいてあれだが、痛いほど分かってる。この映画を素直に「可愛かったね」と言える女子が可愛いってことくらいは…(涙)!

She&Him/Why Do You Let Me Stay Here?
サマー組でPVもあるよ。


ゾンビランド (米・2009)
未知の新型ウィルスのパンデミックに侵された人類は、皆ゾンビになってしまった!!ほんのわずかな人々を除いて。
世はまさにゾンビ時代。テキサスのさえない引きこもり系大学生、ガーランドは自らがつくった32もの『ルール』を実践し、何とかゾンビにやられず生き残っていた。だがその安心も破られる。逃げのびた彼は道中出会った屈強な男タラハシー、ミステリアスな姉妹とともにゾンビのいない夢の遊園地を探して旅に出るのだが…



要約:ゾンビが全速力で走ってくるハートフル・ロードムービー

ゾンビ映画は基本コメディーしか見ないのですが、これも半ばコメディーなので気楽に見られる。私は大好き。
それにしても、こんなに早く走るゾンビを私はこれまで見たことがない!!奴ら全力でやってくる!!これは怖い(笑)。

映画『ソーシャル・ネットワーク』でフェースブック社長マーク・ザッカーバーグ役だった、いかにも草食系男子ジェシー・アイゼンバーグが主人公のガーランドを演じている。
上司にこの映画を薦めてみたところ、「おい、マーク・ザッカーバーグがゾンビに襲われてるんだが…」と言われたほどの役柄の変化のなさである(爆笑)。彼にはもはやこんな役しか来ないのだろうか。まだ若いのにちょっと心配だ。
武闘派とは程遠いガーランドにとって、強力な相棒となるのがウディ・ハレルソン演じるタラハシー。襲い来るゾンビをバンジョーの一撃でも倒すタフな男だが、実は壮絶な過去を背負っている。そこに可愛い姉妹も加わり、(ゾンビに)追いつ追われつの楽しい道中に。
ちなみに『ゴースト・バスターズ』のビル・マーレイも友情出演するけど、大変なことになります。
ウディ・ハレルソンがかっこかわいいいい。曲がなんとThe Racounters(笑)。

さて、意外にも上記二つの映画に共通するものがある。
失恋したトムがガウン姿のまま近所の雑貨店で買って酒と一緒に頬張り、タラハシーが作中異常な執着を持って延々と探し求めるアメリカの駄菓子トゥインキーだ
一体どんなものなのか。

トゥインキーとは、クリーム状のフィリングの入った金色のスポンジケーキである。」「発売元:ホステス社
70~80年代のアメコミの広告によく宣伝されていた。
決め文句は「ファッジーアイシンス!」「君はホステスのケーキにかぶりつき大きな幸せを手に入れる」
トゥィンキーズの寸法は長さ10cm×幅2.5cmで、通常は2個入りパッケージまたは10個入りの箱で売られている。
ラテンアメリカでは、「サブマリーノ」("Submarino"、「潜水艦」)という商品名で売られている。
アメリカ合衆国では、トゥインキーは究極のジャンクフードと広く見なされる。 トゥインキー1個当たり約145キロカロリー(607キロジュール)を含んでいる。 毎年5億個のトゥインキーが製造されている。ジャンクフードの代名詞としてのトゥインキーの地位は、1970年代のアメリカでサンフランシスコ市長と市会議員が殺害された事件の際、弁護側が「ジャンクフードの過食」を弁護にもちだした戦術が現在でも「トゥインキー・ディフェンス」の名で知られていることからも推し量れる。
映画「ゾンビランド」に出てくるクレイジーで素敵なオッサン:仮名タラハシー(ウディ・ハレンソン)の大好物であり、お菓子屋さんに置いていないと大激怒して暴れるので、在庫は必ず残しておくこと。また、同作品に登場する「揚げトゥインキー」は実在する料理である。」
ニコニコ大百科より)
親切な解説のおかげで助かった。
ゾンビランドを見た人のほとんどが、このトゥインキーが気になって仕方がなくなると思うの…と思ったら、本当に皆気になっていたらしく、あちこちに「実物を入手した!」「食べてみた!!」レポが(笑)!!!皆すごいな。
追いかけたブログさま
*挑戦者に心よりの感謝と敬意を!!

上の動画の通り、『ダイ・ハード』の第一弾で、マクレーンに協力しているアル巡査部長が食べてるのもトゥインキー。アメリカの映画を舐めるように見ると、かなりの割合で誰かが食べている気がします。たぶんアメリカ人の心のジャンクフードなんだと思う。
向こうのひと、トゥインキーが好きすぎてこんな動画まで作ってやがる…!
Save The Twinkies!

調べてみると、たぶん今年の同メーカーのストライキで、生産ラインがストップしかけていた頃に作られた動画のような気がする(実際どうなったかは知らない)。
トゥインキーはかけがえのない人類の財産ですね…。