渚にて

旅行、音楽、読書、日常の雑記をつれづれに。

ミッドナイト・イン・パリ

mixi日記の修正版です。修正版では書き足しや補正、動画の差し替えなどを行っていますのでよかったら見た方もどうぞ)
ウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』を見に行ってきました。
ウディ作品を見るのは実は初めてで、おしゃれそうな感じなんだろうな―とぼんやりと思っていましたがまさにその通り。

ミッドナイト・イン・パリ/Midnight in Paris(2011)

婚約者との結婚を目前に控えたハリウッドの売れっ子脚本家ギル(オーウェン・ウィルソン)。しかし内心では作家になりたいという夢を諦めきれずにいた。
そんな彼が、まだ誰にも見せたことがない処女作を抱えたまま、婚約者一家との旅行でパリを訪れる。「1920年代のパリに生まれたかった!」と語る彼に周囲の視線は冷たく、夢見がちな態度は婚約者からも呆れられてしまう。
その晩ホテルへの帰り路を探して夜の街を彷徨うギルの前に止まったのは、一台のクラシカルなプジョー。誘われるままに車に乗った彼が行きついたのは、何と憧れの20年代のパリだった!
フィッツジェラルド夫妻にヘミングウェイガートルード・スタインらそうそうたる面々と出会い交流をする中で、ある一人の美女に彼は心を奪われる。過去と現在を行き来する不思議な数日間のうちに、彼が選ぶ道は…




一言あらすじ+感想:「昔はよかった」

作品を観る前に調べたレビューでもなかなか好評価だったので、そんなに悪くはないだろうと思っていたのですが、予想通りのリボンでくるんでラッピングしたくなるようなファンタジーでした。ぶっちゃけフィッツジェラルド役がトム・ヒドルストンだった上にオーウェン・ウィルソンが好きなので見に行きました(笑)。 出ているの15分くらいなんですが。
パリの名所をギルが歩くのを見ていると、まるで旅人になったような気分がします。
ギルの婚約者一家は絵に描いたようなフランス嫌いで、そこもまた笑える。 過去に憧れるギルを一蹴する婚約者のインテリの友人と、まさしくいまそこにあって華やかな20年代との対比も絶妙です。次々に出てくるロスト・ジェネレーションの有名人たちにも注目。
目新しい物語というわけではないのですが、ディテールがおしゃれ。正しく文化系女子のための映画ですねこれは…(笑) 。
ウディ代表作『アニー・ホール』のジャケットを見たら、セーヌ沿いを歩くしょぼくれたオーウェン・ウィルソンと若き日のウディの丸い背中の佇まいが似ているの何の。これは過去の作品も比較のためにちょっと見てみたいなと思いました。

個人的にロスト・ジェネレーションの作家たちは食わず嫌いで、あまり通らなかったのですが、これを機会に挑戦してみたくなりました。たぶん彼らを知っていると知らないとでは、この映画の楽しみは半減します。そういえば昔の偉人に会うという設定は、オーウェンも出ていた『ナイト・ミュージアム』も思い出しますね(あれこそアメリカ史を知らないと半分は誰が誰か分からない娯楽映画だ)。

人は皆過去をよきものと思うものなのだなあ!もちろん、それだけじゃ不便な点もあるんだよ、と突っつくこともウディは忘れません。それでもなお刺激を受ける人や場所、時代が誰しもあるし、それがなかったらどんなにこの世はつまらないことか!

さていつものトムヒコーナーですが、今回はギルが迷い込む20年代のパーティー(主催はコクトー!)より、トム演じるフィッツジェラルドとその妻ゼルダ(アリソン・ピル)。トムがアメリカンアクセントで話します。BGMはコール・ポーター



おまけ:撮影時のトムがサインしてからフランス語しゃべるよ映像