渚にて

旅行、音楽、読書、日常の雑記をつれづれに。

英国どこでも迷子3 バーナムの森がダンシネインの丘に向かう (London)

2013年の英国旅日記の続き。
ちょっと時間が空いたので、大きな荷物を宿に置き、近くのチャイニーズレストランでご飯を食べてから再びグローブ座に向かう。しかし、疲れたからって戻ったのは大間違いだった。ロンドン・ブリッジからのグローブ座は思った以上に遠く、死ぬほど走って何とか辿りついた時には、まさかの開演時刻をオーバーしていたのだ!門の隙間からチケットをおばちゃんに見せて何とか入れてもらう。

(どこが一番近い駅だったのかなーと後で調べたら、ブラックフライアーズ駅だったみたい)

言わずと知れたシェイクスピアの四大悲劇の一つで、11世紀スコットランドの武将マクベスが、王を暗殺して自ら王座に就くという血なまぐさい物語だ。
冒頭の三人の魔女のシーンを見事に見逃し、転がるようにして入った劇場は、観客席にぐるりと囲まれた1階立ち見席で、舞台は思っていた以上の近さだった。1.5メートルくらい?というよりも、観客がどこまでも舞台に近づいて行ける。ふと背後から誰かが入ってくる気配を感じたかと思うと、隣を通り過ぎたのは舞台に赴く役者たちだった!近い近い!!

英語に耳を慣らさないままやってきてしまったので、言葉や冗談の半分は聞きとれなかったけど、こんな身近で気さくな観劇はしたことがなかったから、それだけでも面白い。古楽器?の演奏ピットは舞台の上部にあった。
マクベスを演じていたのはJoseph Milson。かっこよい!彼に殺される武将バンクォーを演じたのは『ロード・オブ・ザ・リング』でピピンを演じていたBilly Boydだった。

雨が降っていたので立ち見席客はレインコートを着用


幕間を入れて2時間半、リュックを背負ったままの立ちっぱなしはかなりきつかったが、何とか見切った!!
最後はそれまで泥沼の争いを演じていた役者たちが舞台に笑顔で集まり、ダンスを踊る。ああもう皆可愛いい!観客全員が手拍子を叩きながら彼らを見送った。アットホームな劇場だなあ。
疲れもなんのその、たくさんの人と舞台を分かち合った嬉しさでうきうきと帰りの道を歩いた。初夏の空は午後9時を過ぎてもまだ明るかった。
サザークブリッジ(たぶん)とセント・ポール大聖堂
帰り道のトンネルの天井が花火みたいに光っていた
街中に突然ある。中世に権力のあったウィンチェスターの主教の城跡らしい