渚にて

旅行、音楽、読書、日常の雑記をつれづれに。

北欧ところどころ6 光とどこまでも続く丘陵(From Mylrdal to Oslo,Norway)

■12,Sep,2012(3日目:ミュールダール→オスロ

前回まではこちら。
旅の3日目がなかなか終わらない。
ベルゲンから日帰りで行けるソグネ・フィヨルド観光は、そのまままたベルゲンへと帰って行く人が多い。私の行程は反対にオスロまで下り、翌日はスウェーデンに飛ばないとならないコースだったので、ミュールダールでフロム鉄道からノルウェー国鉄への乗り換えになった。
ミュールダールでは1時間の待ち時間の予定だったが、電車は遅れてさらに15分以上は待たないといけなかった。駅は小さく、売店でカフェオレを頼んでもすぐに飲み終わってしまい居場所がない。午後5時を過ぎ、日はまだ高いが、少しずつ寒々しくなっていく曇り空が不安だった。

違う方向へ行くノルウェー国鉄。こんな風に赤いです



ミュールダールの駅のカフェで待つことしばし

電車の遅れを知らされる

さびしい…
 ようやく電車が来た時にはほっとした。しかし今度はチケットに書いてある席が見当たらない。指定の席には知らないおばさんが乗っている。
「あの、ここ私の席じゃないですかね…?」と尋ねてみると、おばさんがチケットを見てくれて、「これはもっと先よ」と教えてくれた。ここは三等車で、私は二等車の席だったのだ。慌てて後ろへと車両を歩いて行ったがこれが遠かった。ツアーのオプションで、大荷物はベルゲンから先にオスロに送ってもらうサービスがあって助かった。これがなかったらすでに私は疲れ果てていただろう。

辿りついた二人掛けの席には先に陣取っていたおばさんが荷物を置いていたが、すぐに避けてくれた。
シートに座りこんで、動き出した車窓を眺める。
乾いた色の草原とどこまでも続く丘陵。家々の屋根は少しずつ遠ざかり、次第に自然ばかりが目立つようになってくる。いくつもの小さな湖が次々と現れた。丘陵は山になり、山肌を白い雪が覆っている。まるで冬のさなかにいるようだ。段々と標高が高くなる。もっとも高い場所にある駅Finseでは、粉雪が降っていた。まだ9月なのに。
山を下ると雲が切れ、湖に温かな秋の光が差し込む。
初めて電車の窓を覗いた小学生みたいに、私は息つく間もなく、充電が切れるまで写真を撮り続けた。


標高が高くなる。寒々しい冬のよう


ごみがついちゃって惜しい!


フィンセに到着。付近の山はスキーなどの観光でにぎわうらしい








ごつごつとした岩肌が覗くアイスランドみたいな景色と送電線



写り込んじゃってるのは愛嬌
充電器なんか持ってきてなかったから、7時くらいに撮影は終了。まだまだ明るかった。でも、近くの子たちはDVDを見ていたりおしゃべりしていたりと車窓には興味がなさそうだったから、ちょっと恥ずかしかった。
夜ご飯にしようと、ビニール袋に入れた肉団子の残りを持ってビュッフェに行った。フォークだけもらって場所を借りる。売店の店員も特に気にしていないみたい。トマトの味のソースがかかった肉団子は冷えていたけど、おいしい。昼間のレストランで3人で食べたご飯を思い出しながら、携帯プレイヤーでDavid Meadを聴いた。
6時間の電車はさすがに体が痛い。振り返ると朝の7時から動いていたし、すっかり疲れてしまった。
席に戻ると隣の人もいなくなったので、リュックサックを枕にして横になって眠り込んだ。
起きた時には何と終点のオスロ、10時半すぎ。慌てて飛び起きて、ホームに駆けだす。
何とか駅前のホテルを見つけると、シャワーを浴びてぐったりとベッドに沈んだ。