渚にて

旅行、音楽、読書、日常の雑記をつれづれに。

イギリス妄想旅行を開始する

今日上司に見せた仕事は「面白い。大したもんだ」と言ってもらえてすごく嬉しかった。お世辞にもそんな大きいものじゃないんだけど、そういう言葉を面と向かって言ってくれる人にこれまであまり会ったことがなかったから。私も「これは楽しいぞ」と思って、人に聞いて調べたので、何とか伝わればなあと思っていたのだ。それから先がどうなるかは分からないけれど、何とかなるでしょ。


ともあれ、イギリス妄想旅行を開始する。
イギリスはちょうど10年前、私が初めて海外滞在した国で、あの頃の憧れの全てだった。
南部のドーセット州にある街ボーンマスに、夏の一カ月、付近の語学学校に通う5人の子たちと一緒にステイしていた。
最初の相部屋の仲間はスロヴァキアの女の子、次は中国に幼い子供を残してきたというキャリアウーマンだった。彼女は時差を考慮してか、朝になるたびに子供に電話を掛けていた。
短い間にその他の部屋のルームメイトたちもくるくると変わり、イタリアで仲間と小さな雑誌を作っているという女性や、トルコの友達同士の女の子二人、シンガポールの子もいた。学校に通う傍ら、週末はオックスフォードやバース、ロンドンに行った。あの夏の焼けつくような日差しと海、浜辺近くの移動遊園地や花火、そして最後の日の空の高さを覚えている。
ホームステイした家のマザーは一人暮らしで、トイレで使う紙の枚数すら厳しくとことんケチだったが、部屋はうっとりするほど素敵だった。最終日、私は皆の写真をあまり撮っていなかったことに気付いた。バス停まで私を見送りに来たマザーは、あの時「また戻って来るから」と言った私に、確かこう言った。「そう思っていれば、またきっと来れるわよ」

Doctor Whoと007のせいで、去年からすっかりイギリスミーハーに舞い戻っているのに、心は新しい場所に行きたいと思い続けるせいで、なかなか集中できずにいた。フィンランドエストニアも心が揺れる。アイスランドだってまた行けるときが来たら行きたい。
でも今年は絶対、イギリスだ。
ちょうどコニー・ウィリスの『オール・クリア 1』を読み終えて、頭は第二次世界大戦中のロンドンに飛んでいる。都会が段々苦手になりつつある私にとって、ロンドンは、今やボンドと戦火の街だ。



映画『スカイフォール』でも舞台となったロンドンは、主要な観光地を巡ればことが足りる。ナショナル・ギャラリーとトラファルガー広場(しかしここだと、ナショナル・ポートレート・ギャラリーとあるんだけど、どっちなんだろう)。エンバンクメントという設定で撮影された地下鉄チャリング・クロス駅も最寄りだ。ついでにエンバンクメントからも見えると言う、バターシー発電所の四本の煙突もイギリスミーハーにはたまらないよね。あと、ヴォクソールのMI6本部。2月だったら、ボンド・ストリート駅にスカイフォールのプロモがあれこれとなされていたんだけどなあ。惜しい。
同じようなロケ地の内容は下にもある。
『007スカイフォール』のロケ地を訪れる

ホルボーンの近くの、個人の建築趣味の粋を集めたという奇妙なジョン・ソーン博物館も気になる。行った人の話を見ると面白そうで興味がわく。フリーメイソン博物館も一度行ってみたい場所のひとつだ。

『オール・クリア』で、ロンドン空襲のさなか、アイリーンがせっせと車でけが人を運んだセント・バーソロミュー病院。ここは同じく炎の中にあったセント・ポール大聖堂の近くで、ドラマ『名探偵ポアロ』でポアロが住んでいたマンションも付近にあったようだ(今あるかは知らない)。
ちなみに第二次世界大戦時、ドイツがロンドンに落とした爆弾の位置をマッピングしたサイトがあるようだ。
うわあ、これでアイリーンたちの置かれた境遇が分かってしまう。怖い!地図を広域にしたら、マップが真っ赤になりすぎてちょっと眩暈がした。よくこれで、戦争を持ちこたえたな…。

チャーチルの地下執務室にも行きたいな。
下は1941年12月26日、チャーチル真珠湾攻撃を受けた後の米国で演説した時の映像。名演説と名高いらしい。
Winston Churchill "Now we are Masters of our Fate"
「我々こそが、運命の担い手なのだ」

Sure I am that this day – now we are the masters of our fate; that the task which has been set us is not above our strength; that its pangs and toils are not beyond our endurance. As long as we have faith in our cause and an unconquerable will-power, salvation will not be denied us. In the words of the Psalmist, ‘He shall not be afraid of evil tidings; his heart is fixed, trusting in the Lord.’ Not all the tidings will be evil.
(中略)
Still, I avow my hope and faith, sure and inviolate, that in the days to come the British and American peoples will for their own safety and for the good of all walk together side by side in majesty, in justice and in peace.

もちろん、『オール・クリア』前段の『ブラック・アウト』で、マイクが経験したダンケルクの戦跡を求めてドーヴァーにも行きたい。ロンドンからは鉄道で2時間弱といったところだろうか。
Operation Dynamo

別に戦跡だけでなく、普通にRyeでまったりもしたいです…。