渚にて

旅行、音楽、読書、日常の雑記をつれづれに。

トムとエリオット/夢のパンジャンドラム

トムヒのつぶやきってたまに難解すぎると思っているんですが、皆さんはいかがでしょう。 今日はいきなりこれでした、

"And indeed there will be time For the yellow smoke that slides along the street Rubbing its back upon the window panes...."
シェイクスピアからの引用もよく呟いているトムですが、今回はイギリスを代表する詩人T.S.エリオット(でもアメリカ生まれ)です。 原典はThe Love Song of J Alfred Prufrock『アルフレッド・プルーフロックの恋歌』。調べたところ岩崎訳の『荒地』には収録されていますね。西脇もあるのかな。




 

エリオットというと難解で知られる翻訳者泣かせの詩人ですね。私も途中どころか序盤で頓挫した遠い記憶があります。というかたいていのものは頓挫しているな最近…。考えるな、感じろ…と頭で声がする。 ちなみにこのブログのタイトルの原点になったネヴィル・シュートのSF『渚にて』でも、エリオットの詩The Hollow Menの一部が冒頭に掲げられています。

 
TS Eliot - The Hollow Men 
In this last of meeting places We grope together And avoid speech Gathered on this beach of the tumid river. This is the way the world ends This is the way the world ends This is the way the world ends Not with a bang but a whimper.
全部読み終わってからこの冒頭の詩に戻ると、しみじみと怖さが忍び寄ってきます。私まだネヴィル・シュートの他の作品の発刊を諦めてないから…(涙目)だってあのパンジャンドラムの名付け親なんだぜ?!とりあえずパンジャンドラム好きなら『バトルシップ』(ネタバレ注意)は見ておこう。スティーブン・キングのドラマ版ランゴリアーズみたいになってるよ。

 読書の秋なので私も久々に本を買いました。今読んでいるのはこれです、コニー・ウィリスの『ブラックアウト』!

  『犬は勘定にいれません』『ドゥームズデイ・ブック』などに続くタイムトラベルSFシリーズとのこと。 今回は2060年のオックスフォードの史学生たちが、第二次世界大戦下のロンドンを現地調査するためにタイムトラベルします。
それぞれ当時のメイドや売り子など、違った職業の人間になりすまし、市民の暮らしを追う彼ら。学生たちの生き生きとした感じや視点を通して、戦時下の遠い時代がまるで今まさに起きていることのように目の前で繰り広げられます。
 まだ読み始めたばかりだから楽しみ。それにしても最近SFで気になる人は女性作家が多いような気がする…?ケリー・リンクも一応SFの範疇だったような?
 ブラッドベリをかじったくらいでハードなものはあんまり読めず、SFも全く詳しくはないのですが、タイムトラベルものはDoctor Whoのこともあってやっぱりわくわくしてしまいます。 
ハヤカワの銀背、ちょっと高いけどかっこいいから思わず手に取ってしまうな。
あと、Doctor Whoのラストシーズン最後の話、Angels in Manhattanのシナリオ、ファンタジーとしては評価されているんだけど、SFだと矛盾が生じているのかな…?色々見て気になってきたので、とにかく早いところ見てみたいよう。